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《プロフィール》
1980年6月8日生まれ 岡山県英田群西粟倉村出身 ノルディックスキー選手
日立ソリューションズスキー部所属 種目:クロスカントリー、バイアスロン
冬季パラリンピック5大会に連続出場

ホグレルスペースに通う日本代表の新田選手にトレーニングや年齢のこと、
カラダのことなどインタビューさせて頂きました!(取材:小野寺)

【新田選手インタビュー】

「まず、なぜホグレルトレーニングを取り入れようと思ったのかお聞かせ下さい!」

新田選手 自分の年齢が30を超えて、股関節周りと肩甲骨周りが硬く動かなくなって、 段々動きも小さくなって、パフォーマンスもタイムも落ちてきているなって非常に感じていて。じゃあ、今までと何か やり方を変えていかないといけないなと考えるようになったところから、柔軟性という部分に着目したんですが、 単純にストレッチをやって柔らかくなればパフォーマンスが上がる訳じゃないって事も分かっていたので、 「動きの中で柔らかい動きを出せるように」という事を考えて、ホグレルというものに繋がったんですよね。

小野寺 なるほど。新田選手はご自身に必要なことが分かっていらっしゃったんですね。
「何がダメで何が必要なのか、自分でも分からない方って案外多いと思うのですが、新田選手は何で気付けたのでしょうか?」
新田選手 感性じゃないかな?(笑)
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小野寺 それ、今更磨けますか?(笑) 今まで積み重ねてきているものがあるから出来ているような・・・

新田選手 うーん・・・自分の身体との対話の数の違いじゃないかな。
疲れているなって思ったらトレーニングを落とすし。“あぁ、こなせないな”って思ったところを頑張り過ぎて、怪我しちゃって「もう今後出来ません」って 状況になるのが一番不味いから。自分の身体が今どういう状態なのか、それによってどう変わったのか・・・とか、どう自分で感じられる のかだと思うんです。それは自分自身にしか分からないから。

小野寺 そうですね。

新田選手 例えば朝起きたときにいつもより身体が重いなって感じたけど、実際動いてみたら何か動く・・ それって何なのだろう?と。それが最終的には正確なところまで分からなかったとしても、試合のデータとしてや、経験として残しておくことによって、 また次に起きて重いなって思ったときに、“ここでこの辺まで良くなってきたら大丈夫”・・・っていう風に思えれば良いかなって。そういう事の積み重ねで、 感性って磨かれると思うんです。だから、特に若いときはそういうことをやった方が良いと思いますよ。
「でも、感覚と実際の動きってズレて来たりしませんか?」
新田選手 やっぱり30代超えてからこなせないトレーニングとか出てくるでしょ。 感覚的には変わってないけど、「何かこうじゃないな」と思ってきたり、早い動きが出来なくなってきたりとか。

小野寺 それ、新田選手のレベルでもあるんですね!!私も分かります!!急なダッシュとか出来なくなるじゃないですか。(笑)

新田選手 そうそう。(笑)でも実際に、例えば筋力とか50M走計ってみましょうとかやっても、大して落ちてなかったりするんだよね。 だけど、神経系が遅くなってるんだよね。鈍いって言うか・・・一瞬遅れる。
「新田選手でも、1個なんか間が入る感覚ってあるんですね!私とお年寄りだけかと思ってました!(笑)」
新田選手 ウッ!って、一瞬構える感じで遅れるんだよね。それが0,0いくつとか・・・ちょっとしたことなんだけど反応が遅れる。 野球だったら、ボールを投げて0,7秒後にはミットに来てるんだから、たかが0,0何秒かでも遅れちゃったら、やっぱりどこかでその0,0何秒かを変えないといけない。 その微調整が、歳を重ねれば重ねるほど難しくなってくる。で、筋力も落ちてくるから・・・。

小野寺 でも、頭は昔のまま変わらなかったりするから、変わっていく感覚慣れるのに時間が掛かったりしますよね。

新田選手 何かを変えるのも怖いしね。今まで成功していたら、 このままのやり方でやった方が良いかもって思うけど、でもやっぱりどこかで変わらないといけないタイミングがあったりするから。 だから残す部分と、変えて行く部分をどれくらいの割合で変えていくのか。結局は何回調整しても大変だなって思うかな。(笑)
「では、ホグレルをやって変わったと感じるところはありますか?」
新田選手 大体、シーズン入り始めは凄く調子良いんだよね。動きもキレがあるなって感覚があって、 実際タイムも上がっているしね。でも、そこから段々身体が重くなっていって、ボワーンとしてくると言うか・・・抽象的な表現しか出来ないけど。 それで、キレを出すためにキレを出すトレーニングも勿論重要なんだけど、意外に緊張と脱力を記憶させるようなことが重要かなって思うようになって。

小野寺 緊張と脱力ですか。

新田選手 例えばスキーだったら滑るって言う感覚というか・・・力が入ってるから滑るって言うんじゃなくて、 乗るポジションだったり、上手く推進するポイントって言うのを脱力する事によってしっかり感じることが出来るようになかったかな。 それは今までになかった感覚だなって。
「そういう感覚が分かりやすくなったと言う事ですか?」
新田選手 例えば骨盤の前傾を作って、膝の位置がどうか・・・っていうのを、トータル的に考えられるようになってきたね。 それは身体がリラックスしないと出来ないから、それが大きい。

小野寺 そこにホグレルが役に立っていると。(笑)

新田選手 役に立ってないと来ないから。(笑)
「日本に居る時は、結構な頻度でお越し下さいますものね!」
新田選手 選手って、どこまで本気で「これがいい!」と思って取り組めるのかって言う部分が結構あると思う。 これが良いからって第三者に「やりなさい」って客観的に良いよって言われてやるんじゃなくて、自分が良いと思ったことはとことんやった方が良いと思うし。

小野寺 でも難しいですよね。情報が多すぎてアレもコレもで意識が分散しちゃうこともあるじゃないですか?

新田選手 それは自分が何処がどのくらい必要なのかで優先順位をつけてやっていくしかないよね。 僕は結構、優先順位高いところにホグレルがあるんだよね、今。
「それは、年齢的なモノもありますかね?」
新田選手 うん。だってね、パフォーマンスが落ちるのも早いんだよ。(笑)歳を重ねるごとに、 好調をキープすることが苦しくなってくるから。

小野寺 コンディションの維持は年々難しくなりそうですよね。
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新田選手 ある意味、ここまでやってくると、練習やってることが裏切ってくるタイミングでもあるんだよね。 これだけの練習をしたんだから、競技でこのぐらいまで上がってくるだろうって言うところがイコールじゃなくなっていって、むしろ足を引っ張っていたりするから。
「頑張りすぎて裏目に出ちゃうパターンですよね。」
新田選手 それが選手として怖いから。

小野寺 こんなにやって、一番合わせたい所で疲れが出てダメ・・・とかね。

新田選手 そうそう。歳を重ねるってそういうところの怖さもあるけど。 そういう意味では少なくともホグレルは身体は動かしているんだけど、コンディションも整えられるから良いかなって思って。

小野寺 確かに。
「でも、歳を重ねる分経験を積んで、パワーじゃなくて技術とかは上がるんじゃないですか?」
新田選手 そうそうそう!

小野寺 若干帳尻合わせるのが昔より絶対上手くなってる!!・・・とか。(笑)

新田選手 そこに自信が持てるか持てないかじゃない?歳を重ねるって。 後はスキーは道具を使うスポーツだから、道具で調整して。道具の選択とかは上手くなるよ。
「道具もコンディションも、自分に合うものが分かりやすくなるという感じでしょうか?。」
新田選手 そうだね。先ず自分の今ある状況のベストを尽くすって言うことろで、何がベストなのか。 今やれるトレーニングの全部が10割だとしたら、トレーニング6割、コンディショニング2割、道具1割、ワックス1割だったとしたら、 その比率が6:2が5:3になったり、5,5・・・とか。

小野寺 ちょいちょい微調整しつつ(笑)

新田選手 年齢と共に徐々にコンディショニングとか調整の比重が高くなってくるから、 日々良いトレーニングをする為のケアも重要になってくるし。すごい高いパフォーマンスを一回出せるだけならトータルでの強さではないから。 一回は良いけど、二回目以降とか、シーズン通してだとダメで“なんだよー”って成績になったら仕方ないから。

小野寺 そうですね。その都度ベストの選択をして・・・ですね!!
「では、最後に今シーズンの目標を教えて下さい!」
新田選手 長野パラリンピック以降16年ぶりに、国内での国際試合に出るんです。 日本で初めてIPC(国際パラリンピック委員会 International Paralympic Committee)のクロスカントリーのワールドカップが旭川で開催されるので、 そこで表彰台に立つのが今シーズンの目標です!

小野寺 もうすぐですものね!

新田選手 ハイ!今は東京で出来ることを全てやって、後はしっかり雪上でのトレーニングをして、 旭川で表彰台に立ちたいと思います!!

小野寺 ぜひ、頑張って下さい!!応援しています!!